【進捗の異常察知を早期化】ログデータを活用した新しいプロジェクト進捗管理
プロジェクトの進捗管理はプロジェクトを円滑に進行するうえで非常に重要です。管理を担うマネージャーには計画から進行まで幅広い業務が任され多忙になる傾向があり、進捗の異常に気づけずに遅延を発生させてしまうこともあります。本記事では、これらのプロジェクト管理を効率化する方法について紹介します。

プロジェクト進捗管理とは?
プロジェクト進捗管理とは、プロジェクトの計画と実際のズレを把握し、適切な対処を取り、プロジェクトの進行を管理することです。
例えば、製造業では、進捗管理が品質管理の手法として施行されています。
また、プロジェクト進捗管理には、プロジェクトの問題や課題の把握、それらの解決策を施行することも求められます。
プロジェクト進捗管理に求められるミッション
複数人で構成されるプロジェクトをまとめつつ、計画通り進行させるためにはプロジェクトマネージャーの存在が不可欠です。
プロジェクトマネージャーがプロジェクトを管理する目的は、予算や納期、仕様などいわゆるQCDを守ることです。これらのミッションを遂行するためには、プロジェクトを計画通りに進捗管理することが必要となります。そのためには、チーム内の異常をいち早く察知し、対応していくことが求められます。
では、実際にプロジェクトが遅延する直前にありがちな危険信号にはどのようなものがあるのでしょうか。
次章では、危険信号となる2つの予兆について紹介します。
プロジェクトが遅延する直前にありがちな危険信号
プロジェクトが失敗してしまうケースの1つとして、遅延の発生によって計画通りに進行しなくなってしまうことが挙げられます。細かなタスクの1つ1つが遅延し、最終的に大きな遅延となることで、取り返しが付かないような事態に陥ってしまう危険性もあるため、プロジェクトの遅延が発生する直前にある危険信号を察知することが重要となります。
ここでは、プロジェクトが遅延する直前にありがちな2つの危険信号について紹介します。
計画通り進捗しているものの残業が多い
プロジェクトの遅延が発生してしまう予兆の1つとして「計画通りに進捗しているものの残業が多い」ということが挙げられます。プロジェクトの計画段階では一見完璧に見えるスケジュール計画となっていても、イレギュラーの対応が重なってしまうことで、当初予定していた時間内で業務が終わらず、残業になってしまう場合があります。残業が続くと、関与者への連携も遅れてしまうため、プロジェクトが遅延してしまうことも少なくありません。
このようなケースを避けるためにも、メンバーの勤務時間についても注意深く観察していくことが重要となります。
定例会議の直前にリポジトリへコミットすることが多い
チームメンバーの残業時間の増加のほかにも、危険信号として把握しておきたい点は、プロジェクトの進捗管理を確認する定例報告会の直前にリポジトリへコミットすることが多いというケースです。遅延は出ておらず一見問題がないように見えても、定例報告会直前ギリギリでタスクが終わっているというような場合には、そもそもの業務の洗い出しができていなかった可能性や見積もり時間にズレが発生している可能性があり、プロジェクトの遅延の危険信号と捉えられます。そのため、定例報告会以外のタイミングでもプロジェクトの進捗を管理しておくことが重要となります。
このような細かな変化を察知することができれば、速めに対応することもできますが、プロジェクトマネージャーの業務は多忙であることから、このような信号を見逃してしまうことも少なくありません。
このような見逃しを発生させないためにも、これらの異常を早期に察知できる環境の構築が必要となります。
【プロジェクト進捗管理事例】ログデータの活用で可視化・効率化を実現
ログデータの自動収集と分析で進捗の異常察知を早期化
プロジェクトを計画通りに進めるためには、これまでに紹介したように些細な異常でも早期に察知することが求められます。
異常を察知するための方法の1つにログデータの活用が挙げられます。ログデータを活用すれば、プロジェクトのデータをツールなどによって収集・分析でき、誰にでもわかりやすい形に可視化されるため、早期の異常察知が可能となります。
ログデータを活用してプロジェクト活動を効率化した事例
大手システムインテグレーターの日鉄ソリューションズ株式会社では、データ分析やログ分析等を可能とする「Elasticsearch」を用いて、ログから進捗を可視化するダッシュボードを構築しました。2020年の4月に同社がリリースした「Tetralink」にElasticsearchを取り入れることで、プロジェクト管理に必要な情報を整理してレポート化する仕組みを構築し、プロジェクト管理の高度化を実現しました。
プロジェクト活動ダッシュボードによって、リポジトリのコミットやIssueの履歴などの進捗状況を示す客観的なデータを可視化できるようになったことで、従来の管理に加えて、分析も可能となり異常の早期発見にもつながることが期待されています。
プロジェクト進捗管理の高度化を実現するElasticsearch
ここでは、プロジェクト管理の高度化を実現するElasticsearchについて紹介します。
Elasticsearchは全文検索エンジンとして、優れた検索スピードを誇ります。また、設計レベルで分散化されているため、膨大な量のデータを扱うことも可能です。このElasticsearchとデータの可視化ツールであるKibanaを組み合わせることで、プロジェクトのデータ収集~可視化までを行うことができプロジェクト管理の高度化に取り組むことができます。
実際にElasticsearchやKibanaを活用して、業務を効率化した事例について以下資料で詳しく紹介していますので、是非お役立てください。
