サイロ化された仮想マシン環境からログデータを短時間で検索。
事例もご紹介!
企業の情報システム部門の中には、複数の仮想マシン環境にあるデータがサイロ化されることによって、データ収集に時間がかかるケースも多いのではないでしょうか。この記事では、データのサイロ化による影響、サイロ化された仮想マシン環境からデータ収集を効率よく行う方法を解説します。ソリューション導入によって効率化が進んだ企業の事例も取り上げているため、ぜひ参考にしてください。

サイロ化された仮想マシン環境が業務効率や競争力に悪影響を及ぼす
サイロ化とは、組織や部署ごとに異なるシステムを利用することにより、業務アプリケーションなどが孤立してしまい、外部機関や他の部署との情報の連携が図れない状態を指します。
仮想マシン環境下においてはサイロ化されるケースが少なくありません。例えば、お客さまから問い合わせがあった場合、仮想マシンごとにログを検索する必要があるため、業務効率に悪影響が及ぶことも考えられます。企業によっては、問い合わせに対する回答を行うまでに半日近くの時間を要しているケースも少なくありません。
また、仮想マシン環境のサイロ化によって情報を横断的に共有することが難しくなるケースもあり、結果的にビジネス効率が低下することも少なくありません。
仮想マシン環境のサイロ化は業務効率の低下だけでなく、意思決定のスピードも下げてしまうため、競合他社に対する競争力低下につながる可能性があります。このように、仮想マシン環境がサイロ化されることによって、企業にはさまざまな悪影響を及ぼすことになります。
では、サイロ化された環境を解消するには、どうすればいいのでしょうか。引き続き解説します。
サイロ化解消には横断的なログデータ検索・収集を行うソリューションが必要
サイロ化による業務効率や競争力の低下といった問題を解消するためには、横断的なデータ検索・収集を実現するソリューションを導入することが非常に重要です。
例えば、最近ではサイロ化した既存のデータベースはそのままの状態にしておき、データの統合を行うことができるソフトウェアやシステムなども登場しています。データの統合が行われることで、ログの検索やお客さまからの問い合わせに対応する時間を短縮できるため、サイロ化の解消にもつながります。
また、データの統合はサイロ化の解消以外にもメリットがあります。
例えば、データを統合することによって、仮想マシン環境に関するビッグデータを得ることができ、ビッグデータを解析することによって、市場の動向把握や今後の予測などを立てることにも活用できる可能性があります。これらのデータを活用することで、環境の変化や新しい顧客ニーズにもスムーズに対応でき、より的確な意思決定が可能となります。
続いては、実際に横断的なデータ検索が可能となるソリューションを導入したことで、サイロ化が解消された企業の事例を紹介します。
サイロ化解消事例:仮想マシン環境から、データ検索・収集時間を短縮
仮想マシン環境でサイロ化に悩んでいた企業が、横断的なデータ検索・収集が可能となるソリューション「Elastic Stack」を導入したことで環境が改善した事例を紹介します。
ソリューションを導入したのは、モバイルデバイス管理サービスなどを提供している株式会社アイキューブドシステムズです。同社は、「イノベーションを3乗する」という想いを持つソリューションカンパニーです。
アイキューブドシステムズでは、顧客からの問い合わせがほぼ毎日発生しており、該当している事象一つひとつをログの中から見つけ出さなければなりません。従来は、このような問い合わせに対する一次回答を行うまでに1件あたり約11時間を要していたそうです。1回の回答にこれだけの時間をかけていては、業務効率が下がるだけでなく、顧客の不満も溜まってしまう恐れがあります。
このような状況を脱却するために、アイキューブドシステムズではElastic Stackを導入しました。ログを漏れなく収集できることに加えて、コスト効率が高かったことが、Elastic Stackを導入する決め手となりました。
Elastic Stackは、検索キーを入れるだけで、横断検索でき、検索時の絞り込みも可能であるなど、使い勝手のよさが特徴です。
導入後は、問い合わせ対応にかかる手間が大幅に効率化されており、最もスムーズに対応するケースで3時間、最も遅いケースで7時間と、導入前と比較すると大幅に短縮されました。プラットフォームが複雑な状況であるにもかかわらず、最大で8時間の短縮は企業にとっては、大きな違いとなります。
プラットフォーム全体のログ横断検索を実現するElastic Stack
ログの横断検索を実現する「Elastic Stack」を改めて紹介します。
Elastic Stackとは、Elastic社が提供している、「Elasticsearch」、「Kibana」、「Beats、Logstash」の総称のことです。こちらのソリューションを利用することで、あらゆるソースからデータを自動で取得することができ、取得したデータはリアルタイム検索や分析、可視化することも可能です。仮想マシン環境がサイロ化されていたとしても、横断的にデータを集めてくれるため、トラブル発生時に当該箇所のログ探しに手間取る心配もありません。
また、情報システム部門だけでなく、社内の各部門や各ITシステムに分散されている情報を横断的に検索・分析することで、従来は気づかなかった事象を発見できる可能性もあります。情報を正確に把握できるようになることで、企業はより正確でスピーディーな意思決定ができるようになるため、サービス品質の向上にもつながります。
そのほかにも、Elastic Stackでは、機械学習を活用した異常検知機能を搭載しており、システムに何かしらの障害やセキュリティリスクが発生した際には、すみやかに把握することができます。
データの統合や横断的な検索可視化による、業務効率化の実現を目指している企業は、ぜひElastic Stackの導入を検討してみてください。
